馬主による購入

走馬用のウマは当初は生産者が所有するが、やがて馬主によって購入される。一般的な時期は生まれた直後から2歳にかけてである。購入方法は競り市(セール)による場合と、生産者と馬主の直接取引(庭先取引という)による場合とがある。馬によっては引き続き生産者自身が馬主となり、競走に出走させる場合もある。購入に関しては馬主や生産者と関係が深い調教師や家畜商が仲介したり斡旋したりする場合も多い。

また、日本においてはあまり一般的ではないが、ピンフッカー(Pinhooker)やコンサイナー(Consigner)と呼ばれる業者が介在する場合もある。ピンフッカーは0歳ないし1歳馬を購入して育成や調教を加えて市場価値を高め、2歳時に高値で転売することを目的とする。コンサイナーは生産牧場から馬を預かって育成・調教、さらには宣伝を行って高値で売却されるよう活動する。

日本中央競馬会JRA)には、かつては生産者から自らが購入し、育成した後に抽選で馬主に販売する、という抽せん馬の制度もあった。現在は法改正に基づきこれを改める形で、購入して自ら育成した後に競り市で販売するという制度を行っており、ピンフッカー的なものに移行しているといえる。