使用できない馬名

サラブレッド造成から今日まで、功績を残した著名な馬の馬名
国際保護馬名(後述)
外国の重要な競走の勝馬の馬名
カタカナ表記では異なっても、英表記にした際にこの項に抵触するという理由で許可されないケースもある。
日本国内に「バルバロ」という、ケンタッキーダービー勝馬「バーバロ(Barbaro)」と英表記で同一になる競走馬がいる。「バルバロ」は「バーバロ」と同じ2003年生まれで、「バーバロ」が活躍する以前に馬名を登録されたことから問題はなかった。ただし、「バーバロ」が活躍した現在では、「バルバロ」の登録抹消後5年を経過しても「バルバロ」という競走馬名は英表記で「Barbaro」となる事から認められない。
2001年にニュージーランドで生まれた香港所属の「アルマダ」(Armada。以下、香港のアルマダ)が2008年の安田記念に出走して2着となった直後、日本で2006年に生まれた牡馬に同じ名が付けられ競走馬登録された。「アルマダ」が国際保護馬名に該当しないために起こったもので、2009年に香港のアルマダ安田記念への出走を決めた際に、2頭をどう区別するかが問題となった。対応策として、2009年の安田記念にて発券された香港のアルマダ単勝複勝応援馬券には、「アルマダ(NZ)」と生産国の略号が加えられた。
GI優勝馬の馬名
以上4項の例外〜冠名など別の単語を付け足した馬名は認められることがある(シンザンミホシンザン、ベガ→アドマイヤベガといった例がある)。
1989年生まれのヒシマサルは、1955年に生まれたヒシマサル安田記念などに勝利し、種牡馬にもなっていたため馬名登録できなかったが、1989年生まれのヒシマサルアメリカで「Hishi Masaru」として血統登録を行って輸入することでこれらの問題を回避したいきさつがある。
GII優勝馬GIII勝馬の馬名(登録抹消後10年を経過しないと再使用できない)
1968年の金鯱賞を制したローエングリン(1965年生まれ、父・タリタートス、母トサモアー)の馬名を再使用した1999年生まれのローエングリンは、中山記念マイラーズカップなどに勝利した。なお、厩舎、馬主とも両馬との関係はなかった。このほか「コンチネンタル」「ホワイトアロー」などの馬名が再使用されている。
日本の競走馬の系統上、特に有名な種牡馬または繁殖牝馬の馬名
父もしくは母の馬名と同じ馬名
過去に登録された馬名(登録抹消後5年を経過しないと再使用できない)
1971年年度代表馬「トウメイ」のように、元々は「メイトウ」にしたかったがこの規定のために使えず、急遽メイとトウをひっくり返して馬名にした例がある。
登録抹消後5年を過ぎれば、他の制限に掛からない限りは自由に使用できる。このことから、同じ馬主が再度使用したために、近親に同名馬が存在するケースもある。実際の例としては「トウカイスバル」があり、1987年生まれの「トウカイスバル」の母トウカイナチュラルと、2003年生まれの「トウカイスバル」の母トウカイローマンは姉妹(ローマンが姉)で、2頭の「トウカイスバル」は従兄弟の関係にある。
馬名変更前の旧馬名(変更後2年を経過しないと再使用できない)
特定の個人・団体名など宣伝(営利)目的のような馬名
例外−馬主自身の名称や商標については冠名として認められる(「オンワード」・「サクラ」・「ニホンピロ(ー)」など)。
戦後しばらくまではこの規制はなく、「ヒヤキオーガン」や「マルマンガスライタ」という商標そのままの馬も実在した。
ブランド名、商品名、曲名、映画名、著名人などが含まれる馬名
例外−著名人では「リンカーン」「シャラポワ」「ペリー」などフルネームでない場合や、著作権に触れないフルタイトルでない作品名(あるいは、その作品の登場キャラクター)、冠名を伴う馬名は認められることがある。1980年代半ばに「プリンセスナウシカ」、1990年代には「サザンシルフィード」(漫画『風のシルフィード』の「サザンウィンド」と「シルフィード」から引用された)、2000年代には阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬「テイエムプリキュア」など、その時代のヒット作を感じさせる馬名も存在した。
ちなみにアイルランドの競走馬には「ジョージワシントン」がいる。
馬の性別にそぐわない馬名
1976年に輸入されたRaise a Ladyというアメリカ産種牡馬が日本ではレイズアボーイという名前に改名された例がある。
例外−「ウズシオタロー」「オンナウルトラマン」のように牝馬でありながら認められた例もある。
公序良俗に反する馬名
いわゆる放送禁止用語に該当するような言葉を含む馬名。ただし一見そのように見える言葉を含む馬名でも「チェリーコウマン」(馬主が有限会社弘馬〈こうまん〉であることに由来)や「キンタマーニ」(インドネシアの地名に由来)のように、冠名としての利用や正当な馬名意味として証明できる場合には認められる場合がある。
再使用禁止馬名以外で、現役馬・登録抹消馬・種牡馬繁殖牝馬に類似する馬名(特に1文字違いや発音)
却下例−「チョウカイテイオー」(「トウカイテイオー」に発音が似ている)
採用例−「ナイキシャトル」(「タイキシャトル」に発音が似ている、1文字違い)
採用例−「クラローレル」(「サクラローレル」から頭の1文字を削った)
競馬用語・競走名などと同一もしくはそれらが含まれる馬名
実況放送で紛らわしく混乱が起きる懸念があることから認められない。小田切有一が「ニバンテ」という馬名を申請したことがあるが、この理由で却下された[6]。
競馬関係者の名前や通称として用いられているものも同様に認められない(例:「アンカツ」など)。過去には1971年生まれの競走馬に「タケユタカ」が実在した例はあるが、これも武豊という騎手がいる現在では馬名として登録できない。
カタカナ表記では異なる馬名でも、アルファベット表記では同一もしくは類似となる馬名