日本におけるルール

日本ではアルファベットの馬名(18文字以内)とカタカナ(9文字以内)の馬名を併せて登録する。

馬名に使用できる文字
カタカナのみ。1928年以降カタカナに統一される。
それ以前の20世紀初頭までは漢字の馬名があり、その後も「第一」、「第三」などのついた馬名は認められていた。また過去には、ラ・フウドル、ザ・ビクター、カネツ・クールなど、記号が含まれる馬名が登録されたこともあった。

「ヰ」・「ヱ」については、過去に使用例(「スウヰイスー」「ダイヱレク」など)があったが、現在では現代仮名遣いに限ると定められているため使用できない。
「ヲ」については、1997年より使用を認めた。ただし、正しい用法でなければ使用できない(「エガオヲミセテ」、「ネガイヲコメテ」、「キヲウエタオトコ」など)。
「ハ」については、「は」と「わ」両方の読みが可能である(「オレハマッテルゼ」など)。
「ヴ」については、由来の原語に「v」音があるときに使用可能である(「エアグルーヴ」など)。ただし、英語の「of」については「オブ」とされる場合が多い(「バランスオブゲーム」など)。
促音・拗音については、1968年より使用を認めた(「カツトップエース」など)。ちなみに、リュウズキのように使用可能になるまでリユウズキと大文字で代用していた例もある。地方競馬では1990年より使用が認められ、それまでは大文字で代用していた(厳密にいえば、笠松所属時のオグリキャップも「オグリキヤツプ」である。また、1985年のジャパンカップに出場した船橋競馬所属のロツキータイガーは、ジャパンカップ時には「ロッキータイガー」と表記されることが多かった)。
戦前までは馬の徴発を目的とした馬籍法の関係で生後30日以内に馬名を登録する必要があった。
この「血統名」と競馬会に登録する「競走名」は生産者が馬名登録しない限り通常異なる名前となる。そして特に牝馬の場合は繁殖入りした際に血統名を使用することが一般的のため、競走名と血統表に残る名はその多くが関連しなかった。
血統名については漢字を使用することも可能である。例を挙げると下総御料牧場では毎年勅題の中の一字と母馬の最後の一字をあてる。1932年(勅題は月)産まれの星友の仔→月友、1940年(勅題は年)産まれの賢藤の仔→年藤(クリフジ)となる。一方で父の名の頭に第一、第二、第三…と連番を打つだけの血統名もあり、シアンモア産駒では第二シアンモア(ヨネカツ)、第六シアンモア(オオツカヤマ)、第七シアンモア(ワコー)、第十シアンモア(エーシアンモア)などが血統名で種牡馬入りするなど混乱をきたしたため、1941年以降は種牡馬については競走馬名を使用することになった。
同名の繁殖馬が同時期に複数いた場合、シアトルダンサーIIのようにローマ数字を付加して区別することがある。