育成

厩舎に入る前の仔馬に対し、競走馬としてのトレーニングを積ませることを育成という。狭義の育成は1歳後半から2歳の前半にかけて育成牧場で行われる騎乗馴致、騎乗訓練、調教(後期育成)を指す。

広義の育成は誕生から離乳までの間にある仔馬に対して人とのスキンシップに慣れさせるプロセス(初期育成)と、当歳の終わりから1歳の後半にかけて行われる人とのスキンシップに慣れさせつつ行われる初期の騎乗馴致(中期育成)を含む。
中期育成の段階で昼夜放牧やセリ馴致(駐立や挙肢などセリ市での望ましい振る舞いを仔馬に覚えさせる)が

1960年代以前は一部の大規模な生産牧場を除き、生産牧場は文字通り生産のみを行い、競走馬は厩舎で馴致・育成・調教が施されていた。

1970年代入ると馬産地や中央競馬レーニングセンター周辺にある育成牧場で馴致・育成が行われた後で厩舎へ送られる競走馬が増加していった。

1980年代に入ると生産牧場から直接厩舎へ競走馬が送られることはなくなり、全ての競走馬が育成牧場を経由するようになった。

また、中央競馬所属の一部の競走馬については馬産地の育成牧場とトレーニングセンター周辺の育成牧場との間での役割分担が成立し、生産牧場→馬産地の育成牧場→トレーニングセンター周辺の育成牧場→厩舎というプロセスで馴致・育成・調教が行われるようになった。
このプロセスは1990年代以降、日本の競馬界における一般的な馴致・育成・調教のプロセスとなった。