馴致

競走馬として扱われることにウマを慣れさせることを馴致またはブレーキングという。

もっとも初歩的な馴致は人間の存在に慣れさせることであり、これは一般に牧場で行われる。

1歳になると馬具の装着に慣れさせることに始まり、最終的には人間が騎乗することに慣れさせる(騎乗馴致)。

繋駕速歩競走では側対歩あるいは斜対歩で人を乗せた繋駕車を引っ張れるように馴致する。

出産・離乳

ウマの妊娠期間は約330日で、それ以上の例もある。
出産時期は2〜6月頃である。

生まれた仔馬は出産から約6ヶ月で母馬から強制的に引き離される(これを「離乳」もしくは「子別れ(仔別れ)」と呼ぶ)。

母馬から仔馬を引き離す方法は牧場によって様々だが、一時的なものとはいえ離乳により母馬・仔馬の双方が受けるストレスは少なくない。
そのため最近ではストレスを軽減する目的で、社台グループなどでは放牧地で仔馬が母馬から離れて仔馬だけのグループを形成するようになるのを待って母馬を引き離す方法を採用しつつある。

種付け

種牡馬繁殖牝馬を交配させ、繁殖牝馬を妊娠させること。

一般に、毎年春に起こる牝馬の発情にあわせて行われる。

なお、サラブレッド及びアラブ種では、他の家畜では一般的な、人工授精によって競走馬を生産することは国際血統書委員会(ISBC)によって禁止されている。

スタンダードブレッドやクォーターホースは人工授精が許可されているが、日本で競馬目的に生産されることはない。

生産地

日本はアメリカ合衆国、オーストラリア、フランス、アイルランドに次ぐ世界第5位のサラブレッド競走馬生産国で、北海道の日高地方、青森県岩手県に競走馬を生産する牧場が多い。

ばんえい競走重種馬では北海道の各地で生産されている。

競走馬として用いられる馬の品種

■平地競走用
サラブレッド
サラブレッド系
アングロアラブ
■アラブ系種
■アラブ種(フランス・中東など)
■クォーターホース
■ポニー(韓国・済州島
■障害競走用
サラブレッド
■セルフランセ
■繋駕競走用
■スタンダードブレッド
■その他トロッター
ばんえい競走
■ペルシュロン
ブルトン
■ベルジャン
■半血(上記3品種の純血種同士の混血)
■日本輓系種(半血・あるいはそれ以外の種との混血。
かつては半血と表記していたが、2003年以降の生産馬はこう呼ぶことになった)
なお、かつて(明治以降、おおむね1950年代前半まで)の日本においては、馬資源の不足などの理由から品種を問わず平地競走にも用いられていた。